2017-04-26

手放す


モノと私の関係が、離れてきたように感じるこの頃。

というか、モノの中にあることは
作り手のわたしがずっと囲ってはいられないものなんだ
ということが、ここ最近のことを通じて
ようやく、じわりとわかってきた。



となると

私がモノに対して、してあげられることは何か。



つい、自分自身と重ねてしまいそうになるのを
そうではないと気づいたところから
少しずつ、どうしたらいいのか
思考を
整理していく。





The Poets light but Lamps —
Themselves — go out —
The Wicks they stimulate —


If vital Light
Inhere as do the Suns —
Each Age a Lens
Disseminating their
Circumference —



Poetry by Emily Dickinson




 *

2017-04-08

変容の時



立体物に助けられた18の時から

その手法がやきものになっても

主軸は、生の土を扱う
かたち作るところ、と思っていたのが

おそらく本人が意識し、自覚するより前に

こころの感覚はきっと既に移行していて

きっと、最ものせめぎ合いは
表層で起こっている。



かたちづくりのみの作業が続くこの頃は

気負いなく、自由な感覚で

プレインな粘土質は
その大らかさの上に
思考の意識無く、行き交うことができる。


その一方
素焼きを終えた物体は
まるで同一のものとは思えないほどに生気を失い
瑞々しいかたちづくりの経過を完全にリセットさせられる。


ここからの作業は
そのものが最大限に、そのものらしくあるように
問いかけを重ねる作業。


それは、今の生身の"わたし"に通じる。






立体、に手がかりを得てから
もうすぐ倍の歳になろうとしている。






 *

2017-04-05

just like a trigger



 



昨年末、作品を展示させていただいた 栃木市こどもサポートセンター から
ひきつづきご依頼頂き
今年度からスタートする新施設のためにも、小品をいくつかお納めする。


新設のセンターは、赤ちゃんを授かったお母さんが初めて訪れる機関でもあり
また、その成長過程も見守っていく施設だという。

今年は4月の新年度の始まりを、遠くから思い遣り
そっと期待を持って迎えることになった。







今まで展示をしてきた”ギャラリー”とは全く異なる、この場に関わることからもまた
ものづくりをする上での大切な気づきを得られる気がして
作品を通してできる協力をさせていただいている。





今に至るこことの縁の、きっかけにもなったことば


「作品は、はじめて新しい生命を宿した若い母親にとっても
新たな いのち を知ることの 気づきになる」


 そこに届ける気持ちの、今回の機会。

見出してくださったことを思うたび、手を合わせたくなる気分にさせられる。



動きだした施設を想像し
静かな充実感を胸にしまう。


  
*

 
かつて、絵描きのM氏が言っていたことばもまた、思い出される。


「作品があるべき場所へ、自分を連れていってくれる」。


それはわたしの既存の思考や知識を超えてある
今と重なる気がしている。


また、そうであればと思う。






作り手のわたしの方が逆に
作品の存在意義を教えてもらっているような機会が続いている。



少し前に貰ったことばもまた
ひとつの理想のかたちを表してくれている。




”I think that is something just like a trigger, 
try to reveal some feeling hidden inside myself 
when I come closer. 
But after a while,
I will accept them,
just like I accept my pain and comfort it 
with more love.”





文章は、メールだからきれいなままだけれど
何度もなぞり、読み返したことは
手紙だったら擦り切れるほどだと思う。




想いをお守りのように抱く。




2017-02-17

'17.2 備忘録





制作中は、手の中で
存在の異なるひとつひとつを確認し
見つめている。
その行為を重ねる中で
私とモノの間に”信頼”が生まれる。


わたしが地上で何者でもなく生きていることと
それでも、わたしはわたしだけの存在として
見つめられている眼を心で感じていること

今度は、そうであること
その景色を
わたしがモノに込めていく。
慰め合うような時もある。
存在を共感し合う。
信頼の所以。






その棚には、いくつもの作品が並べられているけれど
それらをとある”群”ではなく
ひとつづつの顔
”個”で認識する。


わたし以外の他人がそれをして
ここまで近づいてくることは、ほんとうに稀なことだった。



場ではただ、それができればいい
と思った。






この2月は、たいせつなことばをたくさん聞かせてもらえる時期になっている。

たいてい、引っかかったフレーズを咀嚼し続け
一時おいた頃 ようやく感覚とことばが合ってきて
胸中で湧き上がり、駆け巡る。


*


世の中の情報を聞き続けていたのを
一度ストップする試み
ことばで理由を探る癖をやめてみるようにして
2、3ヶ月くらい経っただろうか。

感覚を頼りに徐々に進もうとすること
今はまだ、補助輪なしの自転車で走りはじめ
手放された時のような、よろめく姿が浮かぶ。




繁忙期の折に、一度置いてしまったディキンソンの本を
また、ようやく手に取れるようになり
読み始めたあの時とは少し変わっている
新しいつながりを感じながら読み進める。









2017-01-24

「生活工芸と作用」展


 


初日から数日経った週末、展示の様子を見にゆく。

展示もさることながら
かつてあのlakaguからほど近い早稲田の工業地帯には
共有の工房を借りていた時代があったので
神楽坂駅の地下鉄の階段を上がり着き
様変わりした景色の違いにハッとなりながら
久々、あの夜な夜な仕事帰りに工房へ通っていた頃の
感覚が湧き上がるような思いも感じつつ
色々な作品たちを眺める。

景色にまつわる思い出は、心に深く染み付いていて
多くのジレンマを抱えて通った道は
晴れ晴れと楽しい気分で通うものよりも、色濃く印象が刻まれている。

そんな数々の思いも、今となっては
それはそれで甲斐があったな、とも感じられる。
前より今は少しづつ、自分にとって適当な場所へと歩いてきたように思う。




「生活工芸と作用」展



2017年1月18日(水)−2月15日(水)



11時−20時半(最終日18時)|無休


la kagu 2F soko|東京都新宿区矢来町67


03-5227-6977



展覧会概要

1990年代から2010年代は「生活工芸の時代」とよばれることがあります。
「生活工芸」派の器の特色は「自我の最小化と
器の彫刻化(彫刻の器化、ではなく)」と思っています。
その「器」を「物」におきかえると、小林和人さん(OUTBOUND)のとなえる
「作用」派の作品の特色になるのではないか、との考えから
両様の作をくらべてみたいと思いました。
(『工芸青花』7号でも特集します)
四つのギャラリーから、数十点を展示、販売します。 S



2017-01-18

「生活工芸と作用」展 に参加しています。






2017年1月18日(水)−2月15日(水)


11時−20時半(最終日18時)|無休


la kagu 2F soko|東京都新宿区矢来町67


03-5227-6977



展覧会概要

1990年代から2010年代は「生活工芸の時代」とよばれることがあります。
「生活工芸」派の器の特色は「自我の最小化と
器の彫刻化(彫刻の器化、ではなく)」と思っています。
その「器」を「物」におきかえると、小林和人さん(OUTBOUND)のとなえる
「作用」派の作品の特色になるのではないか、との考えから
両様の作をくらべてみたいと思いました。
(『工芸青花』7号でも特集します)
四つのギャラリーから、数十点を展示、販売します。 S